最近、何かと話題になるSHARPについて今回は書こうと思う。誰もが知る大企業で、バイオベンチャー企業ではないが。ちなみに、今、家ではシャープの冷蔵庫と空気清浄機を使用している。
残念なことに経営が上手くいかず、大きなリストラばかりが話題になっている。株価は暴落し、見ているこちらが悲しくなってしまう。
シャープの経営がうんぬんについて今回は触れない。言いたいことはあるが、詳しい事を述べられる自信はない。一つだけ言わせていただくなら、「高い技術力を持っていたとしても、それだけでは会社は成り立たないんだな」ということである。
今思えば、家にはツインファミコンがあった。ご理解いただける人はそれなりの年齢だと思われる。こういった具合に時代の最先端を行き過ぎて失敗するような、そんな攻めの会社だと評判が高い会社で、固定のファンも多い。個人的には、ガラパゴス?という電子書籍の失敗が記憶に新しい。時代が早すぎたのではないか?
長くなったが、ここからは、バイオテクノロジーや医療系機器に関する話題を記述する。もちろん、全てを網羅しようとは思っていない。目についたモノを取り上げる。シャープの高い技術力と独創的なアイデアが生かされているかどうかは断定できないが、紹介して感想を書いておきたい。私も今回初めて知ったのだが、医療用洗浄装置に関しては、50年もの歴史があったとは驚いた。多少でもこのブログによる広告効果があって、シャープに貢献出来れば嬉しい。
【医用洗浄装置】
シャープの医療用の洗浄装置に、50年もの歴史があるとは思わなかった。医療用装置の洗浄とは、ノウハウが重要そうな領域である。最近、内視鏡用洗浄装置の新製品を発表したという情報をキャッチしたので、調べてみたら、50年もの歴史があるとのこと。素晴らしい!。
察するに、バイオハザードの可能性があるので、医療用の器具などの洗浄・消毒・滅菌ほど重要なこともそう無いだろう。メスひとつとったって、手で洗う訳にはいかないだろうし。そういう重要な製品を扱っているとは、今まで知らなかった。
【電気泳動】
このブログを書こうと思ったきっかけとなった製品群である。当初、「ずいぶん高いな」と思ったが、よくよく考えてみるとそうでもないだろう。そもそも研究はスピード命である。医学部以外の大学などは予算の都合や、実験技術の習得の都合上採用できないかもしれない。
上のリンク、2次元電気泳動は、自分は、実験を行っている様子を見たことしかない。非常に時間がかかる実験だと思っていたが、この装置だとずいぶん短時間で行えるようだ。従来の装置で2日間、Auto2Dで100分との事だ。タンパク質を検出をする染色操作は自動化されていないようだ。まぁ、染色自体はそんなに難しい操作ではないかと思うので、問題ないのだろう。
再現性が非常に高いとのことが目についた。2次元電気泳動は、時間もかかるし、再現性があまり良くないと言うことも聞いた事があった。サンプルを冷蔵や冷凍で2日間保管することによって変化してしまうという事原因のひとつかもしれない。いずれにせよ、実験が短時間で行えることによるメリットは計り知れないだろう。
下のリンク、ウエスタンブロットという実験は、タンパク質を専門とする人にとって、非常にポピュラーな実験手法である。自動で転写を行ってくれる装置が出来るとは思いもよらなかった。「熟練が必要であり、職人技だ!」と言われる種々の作業も、近い将来、装置によって自動化されていくのかもしれないと思った。
シャープ製2次元電気泳動装置“Auto2D”販売について 島津製作所
島津製作所と併売しているところもポイントが高いと感じた。注目されているのだろうか。
【微生物センサ】
浮遊菌による汚染リスクを“見える化” カビ菌・細菌を最短10分で検知
最後に微生物センサについて。従来にもこのような装置はあったかと思うのだが、高速・自動計測・簡単操作・運用コストの低減を実現した事だ。従来の製品とどの程度違うか、あまり想像がつかない。国際宇宙ステーション/「きぼう※1」日本実験棟への搭載に向けて
当社製微生物センサをJAXA※2に納入というニュースが2015.04に発表されている。宇宙での使用も可能であると、JAXAに判断されたのだろう。
【最後に】
今回調べてみて、シャープという会社のすごさに改めて驚いた。日本の産業にどれほど貢献してきたことか。とてつもなく大きな規模の会社なので、これらの装置がどの程度売り上げに貢献しているかは全く想像できない。しかし、今後の日本に絶対必要な会社だと思う。早く経営を落ち着かせて、その高い技術力で新しい製品を生み出してほしいものだ。経営が落ち着かなければ、独創的な研究など不可能だろう。早期の復活を待ち望んでいる。
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