バイオベンチャーとはちょっと毛色が違う感じではありますが、今回は「エフ・シー・アール・アンド バイオ株式会社」について調査して書いてみようと思います。
某所で実物を見て、面白いなーと思ったので、そのうち記事にしようと思っておりました。
まず、バイオベンチャーと違って、DNAやRNA、タンパク質や細胞を研究開発している会社ではありません。いわゆる実験消耗品で特徴的な製品を開発、製造しているようです。通常の50mLチューブやPCRチューブも販売しているようですが、特徴的なのはやはり「2D Storage Tubes」と名付けられた製品群ではないでしょうか。
なんでも、村田製作所のRFID素子を用いて、実験用保管チューブを製作しているとのことです。
チューブに個体を認識させるためのジャケット?的なものを装着して、非接触式のリーダー(Suicaとか電子マネーのような)で、そのチューブにどんなサンプルが保管されているかを認識します。
分子生物学系の研究室で実験していた方はわかると思うんですが、通常のチューブでサンプルを保管していると、ラベルがはがれたり、記入していた文字が消えてしまったりで、サンプルがどれがどれだか、わからなくなってしまうことがあるんですよね、あってはならないことなんですが。
このRFID付サンプルチューブを見たときの第一印象は、
「おーここまでやりますかー」
という感じでした。
「高価そうだなー」とか「ここまでやらなくてもいいやんけー」と思いつつ、改めて考えると、これから確実に需要が出てくる製品なんだろうなーと思いました。お金を無尽蔵に使って開発を行う製薬会社なんかは導入を考えるんじゃないでしょうかね。高価なタンパク質とかES/iPS細胞なんかの超重要サンプルを保管する際、絶対にわからなくならないってのは強みですよね。研究室の中では、お金では換えられないサンプルがどうしても出てきますから。詳細は、この会社のホームページを見ていただければと思います。
それとは別に、これから再生医療がどんどんと発展していく中で、自家細胞を培養して治療に使うような場合、患者さん同士のサンプルの取り違えなんてことは絶対起こってはいけません。そういった場所でこれから活躍していく技術じゃないかなーと考えています。
時々患者さんの病理サンプルの取り違えとか、ひどい場合は、患者さんごと取り違えてしまうなんていうのがニュースになりますよね。軽視されがちですが、個体の認識っていうのはとっても重要なことなんです。
生産数が増えたり、生産ラインの減価償却が済んだりするまでは高価なサンプル保管チューブでしょうが、将来が楽しみだなーと思いました。日本国内で製造しているっていうところも、個人的にはポイント高いです。現在はまだ、社員が10人の小さな会社だとのことですが、これから頑張って発展していってもらいたいと思います。
コメント