暖かくなったり、寒くなったり、皆さん如何でしょうか?
私は今週、某学会に出張し、その疲れか、週末は何にもしないで寝てばかりいるという、ちょっとアレな生活を送っておりました。
今週、2chのそーせいスレに優秀なお方が降臨し、いろいろレクチャーしていってくださった模様ですね。現場に居合わせれば自分も質問したかったですが、残念ながらそうも行きませんでした。私もバイオテクノロジーを仕事にしているとはいえ、創薬は専門外。参考になることは多いです。アミロイドβを「カス」って表現するなど、非常に丁寧な説明ですね。
この方のレスをまとめておこうと思います。あんまりこういうことしちゃいけないのかな?でも、丁寧な説明で、あまりにももったいないので、やっちゃおうと思います。最近、目が腐るような売り煽りのゲスなレスだらけでしたので、なんかうれしかったです。是非とも今後も降臨してもらいたいものですね。
それでは、どうぞ
929 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 20:05:50.94 ID:DrRr7R2y0
素朴な疑問なんだが君らはヘプタレスのパイプラインに興味が無いの?
全然話題にしない、たまに識者の解説があっても食い付きが凄く悪いけど一体何のな?
単に理解できないから?
930 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 20:10:29.58 ID:DrRr7R2y0
もし興味はあるけど理解ができないからというなら優しく解説してみるけど
ちなみに当方医者ね。会計とかよく分からんけどヘプタレスのパイプラインについては
ざっと調べてある程度理解したと思う
今出張中のホテルで一人酒して暇だからやさしくレスするよ。
でもこれからラーメン食いに行くからレスは遅くなるけど需要があれば
948 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 21:27:08.48 ID:DrRr7R2y0
まぁとりあえず、つぶやいてみる
パイプラインの上からね
小学生レベルで
まずM1作動薬
これは本当にすごいよ
今まで無かった薬でよく効く上に安全かもしれんから
ここまで質問ある?
958 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 21:54:40.13 ID:DrRr7R2y0
何をどう説明したら良いのかさっぱり分からず無力感にさいなまれてきたが
極力簡単に続けよう
現在使われているアルツハイマー治療薬はともかくM1に効かせたいんだが
他にも効いてしまうので副作用が困っちゃう
M1だけに作用する薬が出来れば理論的に良く効いて副作用も少ないんだけどと待ち望まれていた
こんな感じでどう?具体的に質問してくれると答えやすいのだが
964 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 22:17:53.87 ID:DrRr7R2y0
アルツハイマーは脳みそにカスがたまってしまい働かなくなる
働きが弱ったところのエネルギーがM1作動薬で、
カスを分解するのが先日ニュースになったバイオジェンの薬
どっちも大切
ただカスを分解する薬は今まで成功例が無かったので医学的にも大きなニュースになった
エネルギーになる方は今までにも使われてきたが、しかし間接的なものしかない
直接M1だけに効かせる、つまり選択性が高い薬はGPCRの構造解析がしっかりできないと無理
それをヘプタレスが可能にしたわけ
これも待ち望まれた薬
伝わっているのかな?
966 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 22:27:34.17 ID:DrRr7R2y0
>>963
やっと具体的な質問がきたね嬉しい
M1がアルツハイマー治療に使えるという基礎研究はいっぱいあるんだ
ブロックバスターだったアリセプトという有名な薬が効果を上げたのもM1作動性の為と考えられている。
ただ他の似たような受容体にも作用してしまうので副作用が出る
イメージとしては
良く効く強力な薬ほど受容体へのアピールが強い
良く効く強力な薬ほど狙った受容体以外にも多数の受容体に作用してしまうという感じ
副作用というのは色々な機序で生じるけど、狙った所以外にも作用してしまうというのがメイン
ヘプタレスの技術は端的に言って狙った受容体だけに効かせるもの
971 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 22:43:34.53 ID:DrRr7R2y0
カスを分解するアプローチはアルツハイマーを根本的に治す事につながるから非常に重要だけど、
正直副作用も大きいし前例が無い方法論なのでまだまだ道のりが遠い
一方、M1に効かせるというのは今までさんざんやってきているアプローチでいくらでも前例がある
M1だけに効かせる事ができなかっただけ
それができたら第一選択薬になる
先日のバイオジェンの薬より売れるでしょ
もちろんヘプタレスのM1作動薬が失敗する可能性も色々考えられるけどね
974 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 22:50:48.93 ID:DrRr7R2y0
>>970
医者ならみんな知っているけど、薬てのは実はどうして効くか本当のところは分かっていないんだよ
生物の仕組みは複雑すぎてね
まぁ、その時歴史は動いただった、本当のところはどうだったか分からないというのと同じくらいは分かっていて
同じくらい分かっていないと理解してくれれば想像しやすいかもしれない
不確定要素はごまんとあるけど、
自分の率直な感想を言わせてもらうとヘプタレスM1作動薬の不確定要素より
バイオジェンの開発薬の方が不確定要素大きいと思う
なおバイオジェンのは作用機序が違うから原理的には競合にならないよ
976 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 22:54:59.24 ID:DrRr7R2y0
>>972
アリセプトなどが効いていたのはM1作動がメインではなかった可能性
作動薬の代謝産物が何らかの予期せぬ毒性を示す可能性
作動薬が予期せぬ受容体に作用する可能性
こんな感じかな
ただこういう可能性はどんな開発薬にもあるし失敗する可能性を想定するのが
難しい開発薬であるとは本当に思う
977 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:02:09.19 ID:DrRr7R2y0
>>973
専門知識があれば開発安全性はある程度予測できるというのが自分のスタンス
その薬はよく調べてないけど新しい機序だったんじゃないかな?
978 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:03:22.19 ID:DrRr7R2y0
>>975
血管性痴呆にはアリセプトが適応外だし出しても効かない事が多いので限界があると思う
979 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:09:07.01 ID:DrRr7R2y0
そうだ、あとね、たぶん専門知識が無いとまず見逃す点だけど非常に重要なのが、
ヘプタレスの開発品にM4作動薬とM1/M4作動薬というのがあるでしょ。
こういうピンポイントの作動薬を作成するというはものすごく難易度の高いことなんですわ
M1作動薬だけじゃなくて他のMの仲間であるM4や、M1とM4同時に効かせる物という三種類も作っているわけで、
これはよっぽどGPCRの構造解析がクリアにできないと無理だと思うよ
983 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:16:27.73 ID:DrRr7R2y0
ちなみにGPL-1作動薬も半端ない開発薬だと思うよ
経口投与の競合開発品で先行しているものがノボノルディスクにあるど、
拮抗薬まで作れているヘプタレスの方が効くんじゃないかな。
たとえノボの競合品が先に成功しても糖尿病の市場規模は半端ないし凄い開発品だよ
985 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:22:17.19 ID:DrRr7R2y0
>>982
ジプレキサは色々な受容体に作用するからものすごく大雑把な薬だよ
統合失調症は誤診が多いからとりあえずジプレキサ出せばなんかしらの反応が出るのでその後の方針を立てやすいというので
処方されている場合もあると思われる
ヘプタレスのM4作動薬は選択性がずば抜けているから色々な用途が考えられるしリサーチにも好まれると思う
986 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:27:09.46 ID:DrRr7R2y0
あとヘプタレスの方のパイプラインには載っているけど
そーせいの方には開発段階がまだ低いからという理由(IR談)で載っていない
mGluR5のネガティブアロステリック調節因子も地味に凄いよ
これは去年の7月にネイチャーに論文掲載されたし半端ない
988 名前:山師さん@トレード中 :2015/03/26(木) 23:29:30.98 ID:DrRr7R2y0
アデノシン受容体2A拮抗薬も安全性の高い開発品だし、ヘプタレスの方針はリスクを最小限に抑えていると感心する
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