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【未上場】待ち望んだ国産蛍光色素Fluolid 株式会社アイエスティー

あまり知られていないが、研究用試薬を扱う会社の売り上げは恐ろしい。医学部の研究費が膨大だからだろうか?

 

サーモフィッシャーサイエンティフィック社などは買収を繰り返し、今では一兆円を遥かに超える超大企業だ。applied biosystems やinvitrogenを買収したときはとにかく驚いた。だが、残念なことに、ライフサイエンス系の試薬は、とにかく輸入品が多いのだ。自分が仕事で購入す得るときは、可能な限り、国産品を使うようにしているが。。。

 

分子生物学分野の実験で書かせない蛍光色素、これらはほとんどが海外のものだろうと思う。今回紹介する蛍光色素「Fluolid」は国産の蛍光色素であり、その性能も驚くべきものだ。個人的に大ヒットして欲しいと強く願っている。こういう製品を紹介するために本ブログを立ち上げたといっても過言ではない。

 

株式会社アイエスティー

九州大学発の蛍光色素、がん診断技術等へ応用可能な国産バイオツールとして実用化へ

九州大学発の蛍光色素、がん診断技術等へ応用可能な国産バイオツールとして実用化へ

Fluolid-W(緑、黄、橙、赤)をテスト販売中。 改良型Fluolid-PMを販売予定/株式会社アイエスティー

フランスで販売されているのか?

コスモバイオでは販売終了?

 

いくつかリンクを上げてみた。残念な事に、明確に販売されている根拠は見当たらなかったが、この製品が素晴らしいことは保証できると思う。なぜなら、直接、社長の講演をお聞きしたからだ。現在も鋭意改良中と言うことであった。もっと言えば、一緒にタバコまで吸った←←←

 

 

特徴としては、励起波長と蛍光波長の差(ストークスシフト)がとても大きい。これは、蛍光色素として、とんでもなく使いやすい特徴である。正直、最初に蛍光プロファイルを見たときは、目を疑うほどであった。蛍光色素を用いる実験をしたことがある人には理解していただけると思うのだが、簡単に説明することが難しい。説明する実力が無いのが悲しい。

 

そして、恐ろしく安定であるという特徴があるそうだ。蛍光色素というのは、あっという間にその蛍光を失ってしまうことが多い。だから、-20℃で冷凍保存する必要があるし、実験結果を保管することはとても難しい。このFluolidは、日光下で、数年間も安定であるとされている。これが意味することは何か?「絶対にねつ造出来ない」ということだ。これまでは不可能だった、スライドガラスそのものを保管することが出来る。自分にとって蛍光色素はなじみ深いモノなので、断言することが出来る。

 

ライフサイエンス系の実験をされている人には、是非とも使ってみていただきたい。現在は入手可能なのだろうか?実際、一度実験条件をキメてしまうと、ルーチンで実験を行うことが非常に多いので、大変かもしれないが・・・。実験条件を変更するのは骨が折れるのもわかるが。。。

 

 

蛍光色素の需要というのは、がんの組織診断から、遺伝子検査診断薬まで、本当に多岐に渡る。リンク先に書いてある市場は、おそらく正しいし、今後、需要が増えるのも間違いないと思う。

 

 

絶対に成功し手、世界中でこの製品が使われることを楽しみにしている。今後も情報がわかったら更新していきたい。

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