【続報!】 【未上場】待ち望んだ国産蛍光色素Fluolid 株式会社アイエスティー 2
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未上場バイオベンチャー
ブログを更新していて嬉しい時があります。たくさんの人に読んでいただけた時と、リアクションを頂戴した時です。今回は後者、超弩級のコメントを頂いて、大変驚いているところであります。と同時に、ブログ運営していてよかったなと実感しております。
【未上場】待ち望んだ国産蛍光色素Fluolid 株式会社アイエスティー
今回は、以前に書いた上記の記事の続報です。是非ともリンク先の前記事も読んでいただきたく思います。株式会社アイエスティーの礒部信一郎社長から直々にコメントいただきました。また、メールにてご連絡させていただいたところ、講演資料を頂戴しました。
こちらがいただいたコメントです。
Comment
礒部信一郎 より:
2015年8月4日 2:17 PM (編集)アイエスティーの礒部と申します。
蛍光色素の検索をしていたところ、貴HPに辿り着きました。
ありがとうございます。
一緒にたばこを吸ったとのこと、どなたかは憶えております。
Fluolidは新型品の開発が終わりましたので、近く、販売を行います。また、診断薬として某メーカーに採用されており、今後期待が持てるところとなりました。
横浜でのBio Japanに、久留米リサーチパークと共に出展いたします。多分、大手企業とのコラボについても発表を行う予定ですので、今後とも、宜しくお願い申し上げます。
この他、蛍光電子顕微鏡も開発が進んでおり、世界でも例のない顕微鏡を実用化する覚悟でおります。大手顕微鏡メーカー様の協力もあり、プロトタイプ機がまもなく完成します。
Fluolidは、電子線に対しても褪光性が高いので、試薬として電子顕微鏡でも使えます。まもなく、免疫染色のカラー電子顕微鏡画像が撮れるようになると思います。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。
というわけで、今回は、「Fluolidの開発進捗」について、ブログを更新しようと思います。
頂戴した資料を読んでみると、開発の進捗はめざましいモノがあると、驚愕しました。産学官が連携して、これほど事業化が大規模に進捗する発明というものは、私は、ほとんど知りません。新聞で「5年後に実用化を目指す」とか書かれていても、実際に実用化された例というのは、実はあまり多くない印象ですから。
「特長」
・光安定性が高い(従来の蛍光色素は光をあてていると褪色してしまう)
・熱安定性が高い(従来の蛍光色素は室温で分解する)
・pH安定性が高い(従来より幅広いpHで機能する)
・ストークスシフトが大きい(従来の蛍光色素はストークスシフトが小さい)
・固体状態で蛍光を示す(従来の蛍光色素は消光する)
・室温で保存可能(従来の蛍光色素は-20度で保管)
個人的には、これらの特長を利用すれば、過去に出来なかったことが可能になる!と思っています。詳しくは述べませんが。。。とにかく、いろんな意味で圧倒的に使いやすい試薬になると思います。どうやってこれを一般の人に伝えたらいいのかと頭を抱えるところですが。。。
研究パートナーの多さ
頂戴した資料中に、この事業の研究パートナーが記載されています。その数の多さが凄い。具体的な名前は明かされていませんでしたが、大学、国立研究機関、メーカー・・・。現時点でその期待の高さがうかがえるところであります。
既存技術との融合
前回の記事でも述べましたが、蛍光色素を用いたガン組織の病理診断というのは、既に実施されている診断方法です。そして顕微鏡観察の分野は、日本が強い領域だと思います。オリンパスやニコンなど、有名メーカーの力が大きいと思います。上記したFluolidの安定性の高さは、より保存しやすく、より成功しやすい優れた診断システムの開発を可能にするだろうと予想しています。ガン組織を染色する「免疫染色」というのは、実施者の技術によるところも大きいという話をよく聞きますので、性能の高い試薬は、市場に、より受け入れられやすいだろうと思っています。
新規蛍光電子顕微鏡の開発
このトピックが一番興味深いモノでした。
電子顕微鏡に関しては、私は実際に使用したことはないのですが、論文ではよく見ていました。電子顕微鏡の有名メーカーとしては、日本電子や日立ハイテクなどのメーカーがあります。海外で言えば、カールツァイスが有名ですかね。
電子顕微鏡写真は白黒というのが相場でしたが、これがカラーになるとは驚きです。株式会社アイエスティーのホームページで美しい写真を見ることが出来るので、是非ご覧下さい。リンクを作成しました。
蛍光試薬技術と新規蛍光電子顕微鏡技術との融合
尿細管の免疫組織化学染色とそのFL-SEM観察
講演資料中では「世界初!」とアピールされていました。写真が美しいんですよ、これが。。。
これまで理解できなかった生命現象をより詳細に研究できることになるはずで、基礎研究の領域で画期的な手法になるはずです!日本の蛍光色素と日本の電子顕微鏡が、セットで海外でバカ売れしたらとっても素晴らしいですよね!
そろそろまとめに入ろうと思います。蛍光色素は遺伝子検査やガンの検査などで、今後、どんどんその需要が増してきています。2015年度で3000億円程度の市場があると見込まれているそうです。
研究用試薬の領域や、医療機器の領域では、圧倒的に輸入超過の状態であり、私も研究職の端くれとして、悲しく思っているところでありました。今回は、その輸入超過の状況を巻き返すことが出来る素晴らしい発明について、色々書いてみました。大学発ベンチャーを中心に、日本の大学や企業が連携しているというところが夢のある話ではありませんか!
礒部社長にいただいたコメントと講演資料から、今後が本当に楽しみなことがわかりました。こんな場末のブログに書かせていただいていい話なのか?と思うところもありますが、ほんのすこしでもPRになれば幸いです。
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