【閑話休題】大村智先生、ノーベル医学生理学賞受賞おめでとうございます

ノーベル医学生理学賞に大村智氏 北里大、アフリカの寄生虫薬開発
2015/10/05 18:56 【共同通信】

大村智・北里大特別栄誉教授

【ストックホルム共同】スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2015年のノーベル医学生理学賞を、アフリカなどの感染症に大きな治療効果を挙げている薬剤「イベルメクチン」を開発した大村智・北里大特別栄誉教授(80)に授与すると発表した。年間2億人に使われ、多くの命を救う発明が、最高の栄誉に輝いた。

日本人のノーベル賞受賞は2年連続で23人目。医学生理学賞は12年の山中伸弥京都大教授以来となる3人目の快挙で、日本オリジナルの研究成果が高く評価された。

大村氏は、日本の土壌で発見した細菌の作り出す物質が、寄生虫に効果があることを発見。

おめでとうございます!とても嬉しく思います!

 

私、感染症のジャンルにはそこそこ興味がありまして、ブログを更新してみようと思います。

wikipediaで調べてみたところ、微生物が生産する天然有機化合物の探索研究を続け、これまでに類のない450種を超える新規化合物を発見したそうです。発見した化合物のうち25種が医薬、動物薬、農薬、生命現象を解明するための研究用試薬として世界中で使われており、人類の健康と福祉の向上に寄与している。加えて100を超える化合物が有機合成化学のターゲットとなり、医学、生物学、化学をはじめ生命科学の広い分野の発展に多大な貢献をしているとのことでした。そして、今回イベルメクチンを開発した実績からノーベル賞受賞となったとのことでした。

 

今現在の日本では、寄生虫の脅威を実感することはないと思います。ついこないだ、みなさんご存じのギョウ虫検査も廃止されるとかニュースも出ていましたし。。。サナダムシなんかは比較的知名度の高い寄生虫かもしれませんね。現在でもアフリカを中心とする発展途上国ではまだまだ脅威であることは間違いありません。私も全ての寄生虫に精通しているわけではないので、断片的な知識でお話させていただいていますが、例えば、この住血吸虫症なんかは、未だに2億人以上が感染しているとされています。また、過去の日本の話ではありますが、日本住血吸虫症などは、本当に厳しい疾患であると思います。こちらのリンクは結構衝撃的だと思います。農作業に従事する人たちは本当に大変な思いをされていたのだな、と。

 

イベルメクチンは、熱帯の風土病であるオンコセルカ症や、フィラリア症、疥癬や糞線虫症においても使用され、これらの感染症の撲滅に貢献しているとのことです。疥癬は現在の介護施設なんかで集団発生したりするような話を時々聞きます。とんでもなくかゆくて、蔓延を防ぐために施設の方々は苦労されているとか。。。

 

寄生虫関連疾患って、インフラが整備されていない発展途上国で頻発する疾患であることが多いのですが、製薬会社は、「採算がとれない」という理由で新薬の開発に消極的なんですよね。。。こちらのリンクをご参照下さい。顧みられない病気。そのような状況の中、大村先生と共同研究を実施したメルク社は、製造原価で3750億円分を無償供与したとか。。。特許を放棄されて、世界中に爆発的に普及したという話も上げられていますね。北里研究所に莫大な研究予算をもたらしたとか・・・。

 

もちろん美談だけをアピールするつもりではありません。このブログは「株」と「バイオテクノロジー」についてまったりと更新するブログですから!また、有機化合物の研究でノーベル医学生理学賞を受賞するのは、久しぶりの話ではないでしょうか?最近は、タンパク質や核酸、分子生物学の受賞ばかり続いたと記憶していたのですが、今回のニュースは、有機化学の研究者にも夢を与える結果ではないでしょうか。

 

大村先生の実績とご活躍に感動して今日はブログを更新しております。受賞、おめでとうございます!!

 

 

 

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